歯のメンテナンス

なぜ、予防が必要なのでしょうか？

こんな事実をご存知でしょうか？
実は、一度治療した歯は健康な歯よりも再発リスクが高いのです。

どんなに精巧に作られた歯でも、目には見えない小さな隙間が生まれます。
この隙間から細菌が侵入し、虫歯や歯周病を引き起こしてしまうのです。

セラミックの詰め物や被せ物など、人工歯の技術は日々進歩しています。
しかし、天然歯を超える人工歯を作ることはまだできていません。
これが予防に取り組んだ方が良い理由です。

あまり知られていませんが、虫歯や歯周病にならない方法は存在します。
それは、歯科医院で定期的なメンテナンスやクリーニングを受け、自宅での歯磨きでは対応できない汚れや細菌を綺麗にすることです。

歯科医院を「歯を治す」場所ではなく「歯を守る」場所と認識する。
それだけでお口の健康は守られます。
ぜひこの機会に、お口のメンテナンスに取り組んでみてはいかがでしょうか。

虫歯・歯周病を防ぐ「予防プログラム」

ここからは当院の予防プログラムをご紹介します。

取り組み１「原因菌」への直接アプローチ

歯石や歯垢は細菌の塊です。
虫歯や歯周病の原因となるため、まずはこちらを除去していきます。

しかしそれだけでは不十分です。
口の中には目には見えない細菌も存在するからです。
見えない細菌には歯科医院で対処するしかありません。
具体的な方法をご説明します。

「唾液検査」で虫歯・歯周病のリスクを調べます

まずは唾液検査で虫歯や歯周病のリスクを調べ、この結果をもとに患者様ごとの治療計画を作成します。

虫歯のリスクチェックには「デントカルト」という検査キットを利用します。
WHO（世界保健機関）の疫学検査にも使われている信頼性の高い唾液検査です。

歯周病のリスクチェックには「ペリオスクリーン」を使用します。

※唾液検査は、矯正歯科治療、インプラント治療では初期検査で行っております。

見えない細菌を一掃する
「プロフェッショナルクリーニング」

プロフェッショナルクリーニングとは、歯科衛生士による「特殊な機材」を利用したクリーニングのことです。

歯石や歯垢、見えない細菌（お口のネバネバ）をキレイに除去することができます。
細菌の他、歯の黄ばみも一緒に除去できるため、本来の歯の白さを取り戻すことができます。

クリーニングで歯の汚れを除去した症例。
リスクは、特にない。

取り組み２「歯科衛生士担当制」も可能

歯周病は「生活習慣病」とも言われるほど、普段のライフスタイルが大きく関係しています。
より適切な処置を行うためには、患者様の食生活や趣味、仕事などを担当者が把握しておく必要があります。

そのため当院では、患者様のごとに専任の担当者が付く「歯科衛生士担当制」を採用しています。
毎回同じ歯科衛生士が担当することで、「計画的な管理」や「ライフスタイルの把握」ができ、患者様はより適切な処置やアドバイスを受けることができます。

取り組み3全身を健康へと導く「栄養指導」

歯医者で「栄養指導」と言われても、今一つピンとこないかもしれません。

ですが、私は歯医者だからこそ栄養指導が必要だと考えています。
なぜならお口は食べ物の入り口であり、最初の消化器官だからです。

今までは咀嚼機能の改善だけを行ってきましたが、当院では適切な栄養摂取の方法までお伝えしています。
虫歯や歯周病を予防し、全身を健康へと導くお手伝いをいたします。

一生涯、自分の歯を守り続けるために

「歯は歳を取ると抜けてしまうもの」。
そのように考えている方が多いのですが、実はそんなことはありません。

年齢を重ねても歯を守ることはできます。

興味深い事実をご紹介します。
下のグラフは、歯科医院で定期的なメンテナンスを「した方」と「していない方」の残存歯数を年齢別に比較したものです。
なんど、80歳になるころには9本近くも残存歯数に差が出ることが分かりました。

また、「痛い時にだけ歯医者に通う方」と「定期的に通院する方」の「歯のライフサイクルと治療費を比較」した統計も非常に興味深いデータが出ています。

「痛い時だけ通院する方」の場合、最終的に抜歯になるだけでなく、「定期的に通院する方」
よりも300万円以上も治療費が高くなることが分かりました。

「メンテナンスは面倒だし、お金もかかりそう」。
そう思われた方の方が多いかもしれません。
ですが、実際はメンテナンスをした方がお金はかからないのです。

なにより、歯を失うと食べたいものが食べられなくなります。
これは本当につらいです。
そんな経験をしてほしくありません。

そうならないためにも、今のうちから歯のありがたみを理解して、毎日の歯磨きや定期メンテナンスの習慣を身に付けてはいかがでしょうか。