治療後の痛み、腫れを防ぐ
「精密」「無菌」根管治療を
ご紹介します。
- 「CT」分析
- 「ラバーダム」の使用
- 「MTAセメント」の使用
治療後の痛み、腫れを防ぐ
「精密」「無菌」根管治療を
ご紹介します。
根管治療は決して特別な治療ではありません。
歯科医師であれば誰でも対応できる基本の治療です。
にもかかわらず、根管治療は再発が多いとされています。
私自身これまで、「神経を抜いた歯がまた痛み出した」「膿が出てきた」という方を何人も診てきました。
こう言うと「複雑で難しい治療なのでは?」と思うかもしれません。
再発を防ぐ方法は大きく分けて2つしかありません。
一つは「神経の取り残しを防ぐこと」。
もう一つは「根管内(歯の内側)に細菌を侵入させないこと」です。
これらの対策ができていれば、再発は減らせます。
歯科医院として必ず行わなければいけない当たり前の対策です。
しかし、ここで問題があります。
ほとんどの歯科医院で、この当たり前の対策ができていないのです。
2回3回と治療を繰り返しても、適切な対策ができていなければ結果は変わりません。
これが再発や再治療が増える理由です。
ここから、実際に当院が行っている再発防止対策をご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
当院の根管治療のテーマは「精密」と「無菌」です。
それぞれご紹介します。
根管内は観察が難しく、さらに細く複雑に分岐しています。
そのような状況下で神経をすべて取り除くためには、「CT」「ルーペ」「ニッケルチタンファイル」を利用する必要があります。
それぞれご紹介します。
適切な処置をするためには、現状を把握することが第一です。
CTで三次元(立体)撮影を行うことで、根管内がどのような状態になっているのか、問題箇所がどの程度広がっているのかなどの情報が得られます。
しかしCTを導入している歯科医院は全国でも僅か数%程度しかありません。
レントゲンを使う歯科医院も多いですが、二次元(平面)でしか撮影できないレントゲンでは、問題箇所を見逃してしまう可能性があります。
下の画像をご覧ください。
CTとレントゲンで撮影したものを比較した画像です。
赤い丸で囲った部分が問題箇所なのですが、レントゲン写真では問題箇所が写し出せていないことが分かります。
問題箇所が分からなければ、当然適切な治療はできません。
根管治療ではどこに問題があるかを正しく把握することが大切です。
ルーペは視野を何倍にも拡大してくれる器具です。
肉眼では見えない細部まで観察できるようになり、治療精度が飛躍的に向上します。
下の画像は肉眼とルーペの見え方を比較したものです。
どちらが正確に治療できるかは比べるまでもなく明らかです。
ファイルとは、根管内の神経を取り除くときに使用する細いヤスリのような器具です。
ファイルにはいくつか種類があるのですが、当院では柔軟性に優れている「ニッケルチタンファイル」を使用しています。
柔軟性のある方が、入り組んだ根管内を隅々まで清掃できるからです。
また、ニッケルチタンファイル以外にも、根管内の形状に合わせて複数のファイルを使い分けることもあります。
神経をきれいに取り除いたとしても、そこに細菌が侵入すると痛みや腫れなどの症状が再発します。
当院ではその対策として「ラバーダム」「各種消毒剤(EDTA・次亜塩素酸ナトリウム)」「垂直加圧充填法」「MTAセメント」を利用しています。
それぞれご紹介します。
ラバーダムとは、治療する歯以外を覆い隠す薄いゴム製のシートのことです。
治療中、唾液中の細菌が根管内に入り込むのを防ぎます。
歯科先進国の欧米では使用を義務化されていますが、日本で使用している医院はそれほど多くありません。
神経を取り除いても、まだ根管内には細菌が残っています。
この細菌を除去するため、「EDTA」や「次亜塩素酸ナトリウム」といった消毒剤で根管内をキレイに洗浄・消毒します。
根管内を綺麗にした後は、根管の先に薬を充填する「根管充填」を行います。
根管充填とは、歯の神経を取って空洞になった根管内を薬剤で塞ぐことで、細菌が外から侵入してくるのを防ぐための処置です。
根管充填には「垂直加圧充填法」と「側方加圧充填法」の2つの方法があります。
当院で採用しているのは「垂直加圧充填法」です。
充填作業で最重要なのは根管内に隙間を作らないことです。
隙間ができてしまうと、そこで細菌が繁殖するリスクがあるからです。
側方加圧方式では充填剤を「細長い固形」の状態で側方から押し込みながら充填します。
難しい手技ではありませんが、根管内に「隙間」が生じやすいというデメリットがあります。
一方、垂直加圧方式は「半固体」の状態で垂直に詰めていく方法です。
側方加圧方式に比べて技術を必要としますが、「隙間」が生じにくいため、再発リスクは少なくなります。
MTAセメントは根管充填に使用する薬剤の一つです。
通常は「ガッタパ―チャ」というゴム状の素材を使うのですが、当院では「MTAセメント」という特殊な薬剤を使用することもできます。
保険適用外にはなりますが、殺菌作用があるため治療後の細菌増殖を防ぐことができます。
また、歯の硬い組織(セメント質)の再生を促し、丈夫な歯を取り戻す効果も期待できます。
根管治療をした後、歯肉が腫れて膿が出てくることがあります。
これは「根尖病巣(こんせんびょうそう)」と呼ばれるもので、根管治療の不具合で歯根の先端で細菌が繁殖したことで起こる症状です。
歯根の先端に膿が溜まる「根尖病巣」や症状がおこる場合があります。
そのような場合、「歯根切除術」という治療を行います。
歯根端切除術は、歯根の先端に溜まった膿を取り出す治療法です。
通常の根管治療では治療が困難な症例です。
そのため、病巣付近の歯肉を切開することで膿を取り出します。
通常、神経を抜いてしまった歯は栄養が届かなくなるため、変色し、壊れやすくなってしまいます。
そのため美しさを維持し、長持ちさせるためには工夫が必要です。
根管治療後は、まずコアと呼ばれる支台を入れ、その上に被せ物をします。
ここでは、審美性・耐久性に優れる「ファイバーコア」をご紹介します。
根管治療後に被せ物をするためには、補強の土台を作る必要があります。
その土台になるのが「コア」です。
ファイバーコアの特徴は「審美性」「耐久性」になりますのでそれぞれご説明します。
裏側から光を当てたときの「光透過性」の比較です。
左がファイバーコア、右が金属コアです。
ファイバーコアの方が、透明感があって綺麗に見えないでしょうか。
金属コアは光を通さないため、どうしても黒ずんだように見えてしまうのです。
ファイバーコアは金属コアよりも柔らかく、「しなる」性質があります。
そのため硬いものを噛んだ時など、強い力が加わった際に力を分散させることができます。
一方、金属コアは難く、しなる性質がありませんので、力が歯根に集中し歯根破折という問題を引き起こす可能性があります。
当院では、患者様が抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。ご興味がある方は下記からお問い合わせください。